精巣痛はその病態により急に発生するもの、徐々に進行するなどさまざまです。

原因

睾丸痛の原因としては以下のようなものがあげられます。

1. 精巣捻転（精索捻転）：精巣が回転し、精巣へつながる血管がねじれることで血流が遮断される状態です。激しい痛みを伴います。
2. 精巣上体炎（副睾丸炎）：精巣にくっついている精巣上体（副睾丸）の炎症です。細菌感染が主な原因です。
3. 精巣炎：精巣自体の炎症で、ウイルス感染（とくにムンプスウイルスが多い）が原因の主たるものです。
4. 外傷：受傷により痛みが生じます。痛みが強い場合は精巣破裂も考慮されます。
5. 鼠径ヘルニア：腸の一部が陰嚢内に突出し嵌頓する（はまりこむ）ことで痛みが生じます。嵌頓していると緊急手術が必要なことがあります。
6. 精索静脈瘤：精巣から頭側へあがっていく静脈が拡張し、痛みや不快感を引き起こすことがあります。
7. 腫瘍：精巣腫瘍は無痛性のことが多いですが時折痛みの原因となります。

診断

睾丸痛の原因を特定するために、以下のような検査が行われることがあります。

1. 視診と触診：医師が腫れや痛みの程度、他の症状を確認します。
2. 超音波検査：睾丸内の状態を詳しく調べるために行います。血流の問題や腫瘍の有無を確認できます。

精巣捻転や鼠経ヘルニアの嵌頓は緊急手術を必要とする状態です。速やかに医療機関への相談・受診をしましょう。