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泌尿器癌

泌尿器科で扱う癌のうち主なものについて説明します。

前立腺癌

前立腺という精液の一部を産生する臓器にできる癌です。男性の癌の内で罹患数1位となっており、多くの患者さんがいらっしゃいます。

初期には症状はあまりなく、進行すると尿が出しづらくなったり、血尿を認めることもあります。リンパ節や骨に転移しやすく、それに伴う疼痛や病的骨折(癌が骨に転院すると脆くなり折れやすくなす)をおこすことで発見されることもあります。

PSAという血液検査でわかる腫瘍マーカーが診断に有用で、市町村によっては検診が行われています。藤沢市でも実施しています。検診をうけることが早期発見につながります。

確定診断には生検といって針をさして顕微鏡で組織をみる病理検査が必要なため、癌が疑われた患者さんは病院を紹介いたします。。

ステージをチェックして治療方針を決定していきます。手術、放射線、ホルモン治療、抗癌剤などが選択肢となります。

膀胱癌

膀胱の粘膜から発生する癌です。そのほとんどは尿路上皮癌というタイプで、たばこや一部の有機溶媒などが発がんの要因となります。

血尿や排尿困難、排尿痛などが症状として現れます。尿潜血でみつかることも多いです。

尿検査、超音波検査を行い、可能性が高い場合は膀胱鏡という内視鏡検査を行います。膀胱内に腫瘍を認めた場合は確定診断もかねて手術(内視鏡的切除:TUR-Bt)が必要となるため設備のある病院へ紹介いたします。

早期であれば内視鏡的切除のみで膀胱を残すことができます。ただし再発が多いため膀胱内にBCGという薬剤を注入することがあります。進行例では膀胱を取る手術(膀胱全摘)が必要となったり抗癌剤治療を必要とするケースもあります。

腎盂癌 尿管癌 (上部尿路癌)

腎盂(腎細胞で産生された尿が最初に出てくるところ)・尿管という腎臓から膀胱までの間の尿の通路の粘膜に発生する癌です。膀胱癌と同様に尿路上皮癌というタイプがそのほとんどを占めます。膀胱癌と同時に認めることもあります。

血尿や腰痛・背部痛が主な症状です。

診断には尿検査 超音波検査から、膀胱鏡やCT検査などが行われます。

早期であれば腎尿管摘除といって腎臓から尿管および膀胱の一部を摘出する手術を行うことが第一選択となります。腎機能低下例や上皮内癌というタイプではその他の治療を提示されることもあります。進行例では抗癌剤治療が行われることが多いです。

治療後も膀胱内に再発することが多いことから定期的なチェックが必要となります。

腎細胞癌(腎癌)

尿を産生する腎臓の細胞から発生する癌です。様々なタイプがあり、最も多いものは淡明細胞癌というタイプです。喫煙、高血圧、肥満などがリスクを高めるとされ、一部に遺伝性のものもあります。

血尿や腰背部痛が主な症状であり、炎症性の強いタイプの癌は発熱を認めることがあります。

診断のために超音波検査やCTなどを行います。

全身の状態や進行度(ステージ)によって治療の方針を決定していきます。

手術や分子標的薬という治療を行っていくため、その治療は病院で行われます。

治療後に長年経過した後でも再発することがあるため、長期間のフォローが必要です。

精巣腫瘍

精巣(睾丸)にできる悪性腫瘍です。セミノーマとノンセミノーマ(胎児性癌や絨毛癌など)というタイプに分けられます。

精巣が大きくなのるまたは硬くなるという症状で受診されることが多いです。

痛みを認めることは少ない傾向です。

触診や超音波検査を行い、腫瘍が疑われたケースでは血液検査で腫瘍マーカーを測定し、CTで全身を評価し、精巣ごと腫瘍を摘出します。

進行例ではその後、抗癌剤による化学療法を行います。

転移をしていても抗癌剤で完治しうる数少ない腫瘍ではありますが、進行例やタイプによっては難治性のものもあります。

全体的に進行スピードが早く、日に日に精巣が腫れていくことを自覚することも少なくありません。精巣が腫れたり硬くなったという場合は可及的速やかに受診するようにしましょう。

泌尿器癌のフォロー

上記のように泌尿器科では様々な癌の治療が行われております。

癌治療のメインは手術や抗癌剤治療であるために、入院施設のあるいわゆる総合病院の泌尿器科で行われることがほとんどです。そして、従来ではその治療後のフォローまで病院で行われていました。癌治療は年々進歩し、その治療はより専門的となっており、ひとりひとりの患者さんへかける時間が増えてきています。そのため、病状が落ち着いている患者さんや外来で治療ができる患者さんは地域のクリニックへフォローを依頼していくという医療施策がとられております。

癌という病気は命に関わり、その治療後も不安を抱えている患者さんは多くいらっしゃいます。私は長年総合病院や大学、がんセンターで癌治療に携わってきた経験を生かし、病院から移られてきた患者さんが安心して癌のフォローや治療を受けられるクリニックとなれるよう努めてまいります。

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