前立腺肥大
前立腺肥大とは?
前立腺は前立腺肥大(良性前立腺増生、BPH)は、中高年の男性によく見られる病気です。前立腺は膀胱の下にある男性特有の内臓で、尿道を取り囲んでいます。40歳ころから前立腺の内線いわれる部位が大きくなると、尿道を圧迫することで排尿に問題が生じます。
症状
前立腺肥大の症状には次のようなものがあります。
- 頻尿:頻繁にトイレに行きたくなる。
- 尿意切迫感:急に強い尿意を感じ、我慢が難しい。
- 排尿困難:排尿を始めるまでに時間がかかる。お腹に力をかけて尿を出す。
- 尿勢低下:尿の勢いが弱くなり、途切れてしまうこともある。
- 残尿感:排尿後も尿が残っている感じがする。
評価と検査・診断
前立腺肥大を診断するには各種検査がありますが、主なものとして以下の方法があります。
- 問診:IPSS/QOLというアンケート票で症状を点数化します。
- 尿検査:尿路感染の有無や出血の有無をチェックします。
- 血液検査(PSA検査):前立腺癌の併存が疑われるケースでは前立腺特異抗原(PSA)というタンパク質の値を測定します。
- 尿流測定:尿の流れを測定し、どの程度の障害があるかを調べます。
- 超音波検査:前立腺の大きさを確認します。
治療
前立腺肥大の治療方法には以下があります。
薬物療法
- α-受容体遮断薬:前立腺の筋肉を緩めることで前立腺部の尿道が開きやすくなり、尿の流れを改善します。
- 5α-還元酵素阻害薬:前立腺の体積を縮小させます。
- PDE阻害薬:前立腺の筋肉を緩めたり、膀胱の血流を増加させることで症状の緩和がみこまれます。
手術療法:(実施施設への紹介となります。)
- 経尿道的前立腺切除術:内視鏡を尿道より挿入し、電気メスで内部に突出している前立腺を切除します。レーザーより核出する方法もあります。
- 経尿道的前立腺蒸散術:レーザーや電気メスを使って前立腺組織を蒸発します。出血が少なく、最近行われ施設が増えてきています。
経尿道的前立腺吊り上げ術や経尿道的水蒸気治療といった最近の治療は時間も短く、低侵襲に行うことができ高齢者や抗血栓薬を飲んでいる方でも受けられますが、保険適応の条件があります。
まとめ
前立腺肥大は多くの高齢男性が罹患し症状を経験することになります。前立腺肥大の結果としての膀胱機能障害などは時間がたつと改善に乏しいため、症状に気づいたら、医師に相談しましょう。